2019.10.01 START

法令改正で消費税は一体どうなる?!

2019年10月からスタートする消費税の税率の改正。どう変わるのかしっかり押さえておきたい。
ここでは消費税改正の概要とスケジュールについてくわしく説明します。

いよいよやってきた!2019年10月からスタートする消費税の税率改正

消費税率(含む地方消費税)は、「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」により、2014年(平成26年)4月から8%に、2015年(平成27年)10月からは10%に引き上げられることとされました。
法律に従って、2014年(平成26年)4月から8%に引き上げられましたが、10%への引上げは景気動向等の諸事情により、2017年(平成29年)4月1日に延期された後に、再度2年半延期され、2019年(平成31年)10月からとなりました。
これらの延期により、消費税率10%への引上げに併せて導入することとされた飲食料品の譲渡と定期購読契約に基づく新聞の譲渡に適用される軽減税率(8%)についても、その導入は延期されますので、事業者のみなさんは、2019年(平成31年)10月から、複数の消費税率に対応することとなり、請求書等には税率を区分して記載することになります。

1.消費税率引上げに至るまでの経緯

今回の消費税率引上げの経緯について、消費税導入時期に遡って、以下の年表で確認していきましょう。

年 月 事 項 参考
(当時の首相)
1988年12月 消費税法成立。 竹下 登
1989年4月 消費税法を施行。税率は3%。 竹下 登
1994年11月 消費税率を3%から5%に引き上げることを明記した税制改革関連法が成立。 村山 富市
1997年4月 消費税率を5%に引上げ。 橋本龍太郎
2010年12月 「社会保障改革の推進について」が閣議決定。 菅 直人
2012年2月 「社会保障・税一体改革大綱」が閣議決定。 野田佳彦
2012年8月 消費税率を2014年4月から8%に、更に2015年10月からは10%に引き上げることを明記した社会保障と税の一体改革関連法が成立。 野田佳彦
2013年10月 経済状況等を総合的に勘案し、2014年4月から消費税率を8%に引き上げることを正式決定。 安倍晋三
2014年10月 消費税率を8%に引上げ。 安倍晋三
2015年3月 2015年10月1日に予定されていた消費税率8%から10%への引上げ時期が1年半延期され2017年4月1日とされた。 安倍晋三
2016年3月 2017年4月1日の消費税率8%から10%への引上げ時期に併せ、飲食料品の譲渡及び定期購読契約に基づく新聞の譲渡について8%の軽減税率を適用することとされた。
また、2021年4月1日からは、いわゆるインボイス制度である適格請求書等保存方式を採用することとされた。
安倍晋三
2016年11月 2017年4月1日に予定されていた消費税率8%から10%への引上げ及び軽減税率の導入時期が2年半延期され、2019年10月1日とされるとともに、2021年4月1日から導入することが予定されていた適格請求書等保存方式についてもその導入時期が2年半延期され2023年10月1日とされた。 安倍晋三
2016年12月 「平成31年10月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いについて」の最終改正が示される。 安倍晋三
2019年10月 消費税率を10%に引上げ。飲食料品の譲渡と定期購読契約に基づく新聞の譲渡に軽減税率を導入。(予定)  

2.消費税の標準税率引上げ時期と税率

消費税の標準税率の引上げの実施日及び税率は、次のとおりです。

  消費税の税率(消法29) 地方消費税の税率(地方税法72の83) 消費税と地方消費税を合わせた税率
2014年3月31日まで 4% 1%(消費税額の100分の25) 5%
第1段階(2014年4月1日施行) 6.3% 1.7%(消費税額の63分の17) 8%
第2段階(2019年10月1日施行予定) 標準税率 7.8% 2.2%(消費税額の78分の22) 10%
軽減税率 6.24% 1.76%(消費税額の78分の22) 8%

税率の引上げに伴い、税抜対価の額の計算及び控除税額の計算等が、次のとおり改正されます。

  控除税額の計算(消法30➀) 消費税額から消費税及び
地方消費税額の合計額の計算
(消法30➅)
税抜対価の額の計算
(消法28➀等)
2014年3月31日まで 課税仕入れに係る支払対価の額(税込み)×105分の4 消費税額×100分の125 税込対価の額×105分の100
2014年4月1日以後 課税仕入れに係る支払対価の額(税込み)×108分の6.3 消費税額×63分の80 税込対価の額×108分の100
2019年10月1日以後(標準税率・予定) 課税仕入れに係る支払対価の額(税込み)×110分の7.8 消費税額×78分の100 税込対価の額×110分の100
オリジナル「軽減税率対策本」がダウンロードできます